夢拓

 ドラマ収録エキストラレポ (2005/06/21 フジスピードウェイ)

日差し眩しく暑い富士の麓で
熱い次郎の風が眩しかった。



昨年の「プライド」に引き続きまして、
念願の番協エキストラなるものに、再度参加してまいりました。

おかしなものですね。
朝の10時から、終了の19時過ぎまで、
フルスロットルなモノづくりを観させていただいたことで、
私の中のドラマ「エンジン」は一度終焉を迎えています。
最終回はOA前ですから、もちろん未見です。
だけど、神崎次郎の物語は、
私の想像の中で、空想の中で…。
一度ラストシーンを迎えてしまっているのです。
そのくらい。
内容の濃い、収録でした。
でもきっと実際の作品は、
もっともっと素晴らしいラストシーンを迎えるのでしょう。
自分が思い描いたストーリーとは比べ物にならないくらいに。

…と、まぁ。
そんなおセンチな気分になってしまうくらい、
昨日フジスピードウェイで行なわれた私たち観客エキストラを交えての収録は、
ドラマ「エンジン」のラストをある程度知ってしまう内容でした。
痛いぐらいに次郎さんがココロに突き刺さる収録でした。

番協に参加できず、最終回OA前にこれをご覧になる方。
時を経て、これから作品鑑賞に臨まれる方。
どうかお願いです。

ネタバレがお嫌いな場合は、
作品をご覧になる前に
このレポをにお読みにならないでください。


…と、まぁ。(^_^;)
自分の思い描いたラストシーンが、
実際と全く異なる場合に備えての言い訳…でもありますが。(笑)

みやぢ@TK1113 2005/06/22



レポしたいと思いつつ、ダラダラ書きがちっともまとまらなくて、
結局数日間に分けての作業になりました。
激しくネタバレに通じない部分は、比較的早めに他サイトに投稿させていただきましたので、
こちらに掲載されているレポにはそちらとの重複部分もあります。
ただし、投稿後に手直しや補足をしていたりもするので、
必ずしも同じではありません。ご了承ください。

投稿させてもらったサイトは、 T SHOT TIMES です。
(お世話になってます!)
このレポをアップした時点では、まだレポページが独立してませんが、
いずれ管理人 姫さま が作ってくださるはずです。
是非そちらもご覧ください。

なお、以下は左側が感想を含めたレポ部分。
右側が想像・妄想も含めたシーン説明、という構成になっています。
収録当日ですら、夕方には朝から昼にかけての記憶は曖昧になってまして…。
収録の最後で全部吹っ飛んでしまった、というか。(^_^;)
最後の「ご挨拶」以外はメモなしでレポに望む羽目になりました。
すみません…。

でも。
ほんの少しでも、次郎さんの風を届けられたら幸いです。

みやぢ@TK1113 2005/06/26



番協前夜には興奮して殆ど眠れず。2〜3時間のうたた寝、という感じで3:30起床。もたもたと準備をして始発に飛び乗り一路御殿場へ。あまりの興奮状態で、ムードを盛り上げようと用意した「次郎のテーマ〜ANGEL〜」「I Can See Clearly Now」ならびにサントラをダビングしたMDも、結局殆ど聴けない状態で電車に揺られ続ける。T&CのシャツやTシャツ、大き目のバッグからのぞく極烏のペットボトル。そういった根拠が見受けられなくても、車内の木村ファン率が徐々に上がっていくのがまざまざと判る。会場で待ち合わせはしているるものの、たどり着くまではひたすらひとり。ここでお仲間を増やす勇気はないな〜と、ひたすらぼんやりと過ごす。

…どうでもいいがなんでこんなに文章が硬いんだ! BLOGでお気楽文章に慣れたはずなのに…? なんでかなー。改行しないからかなー。(^_^;) 途中で口調がガラリと、あるいはコロコロと変わるかもしれませぬが、書いているのは同一人物っす。(お? 調子出てきたか?)


御殿場駅には定刻どおり7:30頃到着。すげぇ…。これみんな番協組なんだ…と目を見張りつつ、トイレを済ませて臨時バス乗り場へ。バス車内でおひとり参加らしき方としばしのトーク。近藤マッチさんのレースを何度か見に行かれているので、レース場という場所も今回のフジスピードウェイも初めてではないとか。これまたすげぇ…。

8時過ぎにフジスピードウェイ到着。一緒に申し込んでもらったきくちゃんと合流。去年の2月に新横で初めて会ってから、メールやネット、参加直前には電話での交流はあったものの、生身(笑)で会うのは1年と4ヶ月ぶり。顔を覚えてるかかなり不安だったけど、会ってみたら、笑顔を見たら「この人だった、間違いない」って思えた。きくちゃんの笑顔は元気が出るから大好きだ。拓担でヤニーズ。それだけの共通項でも充分に居心地が良いのだけれど、一緒にいて全然疲れない(向こうは知らんが)。

中では既に収録が行なわれているのか、それとも単純にエンジンを温めてるだけなのか? フォーミュラカーのものすごいエンジン音が爆音で響き渡る。すげぇ…! 腹に来る。音を聞いてるだけでドラマのこととかわっつでの音真似とかいろんなことに気持ちが行ってしまって否が応でもテンションが上がる。

整理番号は全日参加の31番。でも、呼ばれた時にすぐ気づかなくて、50番台辺りの人たちの中に入った。「2005年 全日本F3選手権 第11戦 レグルスカップ」「7.2sat 3sun」「5 G」と書かれた水色のパスを受け取る。最初は何かのレースの使いまわし、余ったパスの使いまわしかと思ったが。どうしてどうして。これはドラマに出で来る実際のレースの設定では? すごい懲りよう。既にいい土産ができた。

去年の1月に新横でであったすみえちゃんにも無事会えた。彼女は午前中のみなので整列場所が別。整列は着々と進むが、中には一向に入れてもらえない。既に10時。スタッフの話によると、今レースシーンの収録中で、これは観客なしで撮りたいという監督の意向なので、それが終わるまで待って欲しいとのこと。木村くんが全スタッフにひとりひとり手渡したという「円陣」の赤ジャージに興奮したり、どう見てもレプリカなんだけど2000円出せば買えるとあっては…とつい購入してしまった「ジロ・キャップ」で盛り上がったり。なんだかんだと時間は潰せてるけど、私ら全日参加組はまだしも、午前のみの人ってこれじゃ全然見れないんじゃ…? と心配し始めた頃。ようやく観客席への誘導が始まった。

観客席のスタンドを降りていきながら、ため息。すげぇ…。フォーミュラがスタート位置に並んで、レースクイーンがパラソルを開いてる。どう見たって本物の本番のレース場だ。ゼッケンをつけてるのがスタッフなのかと思ったが、レース場を取材に来ているENG部隊というエキストラも混じってる? それともスタッフがその格好のままエキストラを兼ねてる? 次郎さんはドコ、次郎さんいるの? 気持ちがいっぺんにあっちこっちに行ってしまった。こっちが向こうを見てるはずなのに、どうも向こうがこっちを見物しているような気がしてならない。「すげーなー、やっぱキ○タクはー、こんだけの人、集めんだなー」みたいな。考えすぎかと思ったけど、やっぱ間違いない。今のところ珍しそうに見られてるのはこっちみたいだ。

どうやら次郎さんはまだ登場してない模様。でも、ほぼ目の前にはチーム・イチノセの37、38番ピット。イチノセのクルーがちょこまかと動いている。
能書きはいいので、
すぐにでも木村くんを登場させんかい!
…という方は
コチラ
次郎さんは? 次郎さんは???

来た〜〜〜〜!!!!
次郎さんです!
間違いなく、次郎さんです!!!
きゃーーーー、もう・わーーーーー、もう…、
もうっ♪ もうっ♪
(あ、書きながら興奮してようやく文体がほぐれた・笑)

時計を見ると10:20ごろ。レーシングスーツに身を包み、オールバックにノーズテープ。う・美しい…!!! 美しすぎる!!! まだ入場誘導途中だっただけど観客席からはため息と歓声、そして拍手。木村くんのことだから、他のスタッフやメカニックの人がやってるようにフェンスの合間の壁をひょいと飛び越えて登場するのかと思ってたけど、ピットの奥から悠然とフェンスが途切れるところまで大回りして歩いてコース内へ。37番のマシンにたどり着いた。もう息が止まりそう。すげぇ…。顔までちゃんと見えるんですけど…っ!!! いいのか、こんなにラッキーで!(即行申し込んで早めの番号ゲットしてくれたきくちゃん、ありがとう!)

挨拶はナシでそのまま撮影に入る。ちょっと残念だけど仕方ない。マシンの前でスタッフから説明を受け、ヘルメット装着。もう顔、隠しちゃうの? とも思ったが当然の流れ、致し方ない。手鏡で顔周辺を確認。うん、とうなづきマシンに乗り込み撮影開始。1時間ぐらいかけてたったの3〜4カット。演技を変え、カメラ位置を変え…。木村くんが良く使う言い回し、
「ワンシーン・ワンシーン、ワンカット・ワンカット」
という声がふっと蘇ってきた。カットごとにリハと本番を繰り返し、2パラか3パラぐらいでカメラは回している感じだが、対話する次郎とテツヤ、次郎の手元だけ、など様々なカットを撮っていく。10:20ぐらいの板付きから一時退場する11:30ぐらいまで。ぐんぐん上昇する気温、照りつける太陽の中、とんでもなく暑いであろうレーシングスーツフル装備のままマシンの中に居続ける木村くん…。双眼鏡で覗いてみると、位置的にヘルメットしか見えないが、たまに左を向いた時にチラリと目が見える。まつげが…。木村くんの長いまつげがっっ!!! あぁなんてキレイなまつげなんだ、まばたきなんてしちゃって…などとアホなことを考え続けていた。(間違いなくニヤけていた)

いい加減休憩しないと、ヤバくない? と思った頃に次郎一時退場。次に出てきたときにはやはりフェンスの合間の壁をひょいと飛び越えての再登場。観客席からは拍手! ピタリと着地した赤い靴の足先まで美しい♪ マシンに乗り込み、撮影再開。

次郎が乗った37番のマシンを手押しで後ろに下げて、スタート前のマシンの撮影。響くエンジン音。何度聞いてもやはり体がビクンとしてしまう、すごい迫力。木村くんが実際に次郎としてマシンを動かすらしい。
スタート! …即エンスト。
観客席からはちょっと笑い声が出た。マシンの中では木村くんが監督さんに右手の人差し指を立てている。どうやら一度練習させてくれと言っているらしい。今度は成功。再度手押しでマシンを後ろに下げて撮影。大成功。

次郎のマシンの前にあったカメラ機材がどけられて、カメラがマシン横からのアングルを狙う。今度は実際に走るらしい。高まるエンジン音。マジで? マジで走るの? 1周? …と言っている間に突如スタート。立ち上がって行った先をのぞきこんでしまうぐらい、結構走ったが、コーナーは曲がらずにストップ。場内大歓声。エンジンを切り、帰りは手押しで帰ってくる。

ちょっとだけまっすぐ走っただけでも胸が締め付けられるような思いだったのに、今度は1週走りきるらしい。全車がエンジンをかける。どうしよう? ってどうしようもないんだけど。ただ祈るだけ。ものすごい爆音と共に全車が一斉にスタートした。タイヤ慣らしで蛇行運転するマシンもいてもう気が気じゃない。実際のレースとは比べ物にならないんだろうけど、明らかにかなりの速度。37番の次郎車に追随するマシンがこちらから見ると次郎車に追突しようとしてるように見えて「やめて〜!」って思った。あの最中にいる木村くんは今、どんな気持ちなんだろう? 怖くはないんだろうか?

コーナーを曲がってしまうと後はもう音しか聞こえない。コーナーのところで吹かすエンジン音にビクビクしてたら、大きなスクリーンに実際のレースでも活用するらしい大きなモニタにレース風景が映っているのに気がついた。すげぇ…。あの中にホントに木村くんがいるんだ。

ようやくマシンが戻ってきて、それぞれの所定の場所に着く。おそらく撮影で必要なのはここの部分。37番の次郎車は、先ほどの短いカット同様にピタリと3番のポジションに駐車した。拍手!!! でも後ろの広島TOYOTA車は1車体分ぐらいのオーバーラン。撮影的には結局OKが出たみたいだけど、メカニックの人がドライバーに指でバッテンを作ってさんまさんの「ダメ・ダメ!」をしていたのがおかしかった。(広島TOYOTA車のドライバーはしきりに手を振って「違う・違う」をしていた)

ふとピット前を見ると、一之瀬監督とたまきさんがいた。一之瀬監督の格好をして、首に氷嚢、後ろからうちわで扇いでもらっている泉谷さんは、四六時中おもしろいことを連発しているらしく、たまきさんの格好をした岡本さんはずっとヒクヒク笑っていた。見たい…聞きたい…と双眼鏡からガン見していたら、こともあろうに木村くんの動向を見失った。まだマシンに乗ってるのか? 今度は3周走るという。スタントに変わった? それとも本人? 判らないままスタートした。運転してるのが木村くんなのかどうかということはおろか、動体視力に乏しい我が目は通り過ぎるマシンナンバーの判別すらおぼつかない。3周走り終えてピットインしたマシンから出てきた「次郎さん」はメットを取らずにそのまま奥に引っ込んでしまい、結局ホンモノなのかどうかは判らずじまい。

確かこのあたりで13:00ぐらいだったと思う。午前のみ参加の人は、ホンモノの次郎の走行を見られたんだろうか…? 自分がここにくるまでに費やした時間や労力を思い起こし、昼で帰らなければならない人たちことを考えると胸が痛んだ。

「次郎さん」登場。でもちょっと小柄。足元を見ると靴が白い。スタントさんだ。ちょっとガッカリ。でもちょっと安心。いいよいいよ? 危ないことはスタントさんに任せてね。それにしても、スタートシグナルのランプが点灯してレースが始まるというシーンは、それこそTVでは見慣れているものの、こんなにも興奮するものなのね…と驚いた。

無事に3周走行を終え、14:50頃、再スタンバイ。今度はホンモノの次郎登場。マシンにはわっつで説明していたハイビジョンタイプのCCDカメラが設置されている。どうやらレースシーンを「全体映像」「車体左横からの次郎ナメコース映像」「次郎の表情」の3つに分けて撮影している模様。37番次郎車の前には先導するカメラ車がスタンバイ。これもわっつでサンタクの車中映像収録の大変さを語ってた時に、前の車との距離をつかず離れず保つのは実は大変なんだと主張していたっけ。それが今度はフォーミュラなわけで、その苦労はどれほどのものかと手を揉み絞った。

収録前の演技指導。身振り手振り…というか、マシンに体が固定されてるから手先だけで「こう入って、こう入って…」と演技の確認。双眼鏡で見えるその指先は、ピンと伸ばされていてグローブをしているにも関わらず美しい♪ Lap10で怪我した設定になっている右手には、薬指と小指に赤いテーピングが施されていた。で、ガッツポーズをした右手をブンブンと前後に前後して「最後こうですね?」という感じの最終確認。走行中〜トップでゴールする時の次郎の表情を狙うわけだ。

カメラ車に先導されて「レース」スタート。先ほどよりもスピードはだいぶ遅いが、目の前がコースではなくカメラ車だなんて。絶対にドライビングは大変なはず。どうか、無事に、無事に! それしか思い浮かばなかった。「レース」の模様をモニタで確認しつつひたすら祈る。

ゴールの瞬間、左手でステアリングを握りながら右手をブンブンと振り回している次郎が見えた。さっきと確かに速度は違うけど。その姿がドカンと目に飛び込んできたのは、実際に表情なんて見えないのに喜んでいる次郎の顔が見えたような気がしたのは、ただの妄想だろうか? それともその全身から、マシン全体からほとばしるような喜びを次郎が表現していたから? マジ、ヤバイ。マジ、泣きそう。照れ隠しにきくちゃんに言ってみた。「結局レースには勝つんだね。オチ判っちゃったね。」「ま、井上さん(の脚本)だからね。」 …でもちょっとあっけないような? まだ昼過ぎなのにあと何を撮影するんだろうか。

ゴール後に再度1周してピットイン。マシンから降り立った木村くんには、もちろん大拍手。本当に、この「木村拓哉」という御仁は一体何者なんだろう。どこまで行くんだろう。畏怖の念に近い尊敬…。ピット前のフェンスで両手を「にゃんにゃん」みたいな感じで振りながら観客の声援に応え、身を翻して颯爽と壁を飛び越えていく姿を、ただ熱く見つめることしか出来なかった。


スタート前後のシーン、ゴールシーン1




















レース直前。コース上であわただしくセッティングするメカニッククルー、美しい立ち姿で笑顔を振りまくレースクイーン。取材チームが駆けずり回り、レースファンがあちこちのマシンやドライバーを覗き込む。
マシンに乗り込んだ次郎、メカニックのテツヤと軽口(?)を交わす。はす向かいのチーム(確か比呂人が移籍したチーム)のレースクイーンが「じろぉー♪」と手を振る。それに手を振り返し答える次郎。





















レース直前。スタート位置でマシンを止める。










レース開始。次郎のマシンのスタートのみ撮影。







各マシンがスタート位置につく部分を撮影。
※後日確認できた情報によると、昼前後に2度100キロの3周レース(4週走行)したシーンはいずれもスタントの「次郎さん」とのこと。(アップ ライトさん、貴重な走行TTメモをを公開してくださってありがとうございました) どうやらピット内の他のキャストさんに見惚れているうちに、木村くんとスタントマンがチェンジしていたようです。
























レースシーン撮影。














レースシーン撮影。今度はマシンの左横に車載カメラを装着して走行。












次郎さんな木村くんによる実際のレースシーン撮影。マシンの前に車載CCDカメラを装着して4周(レース3周、ピットインのために1周)走行。

ここから先は、ネタバレが多くなります。
後半は収録を目の当たりにしての妄想も入ります。ご了承ください。
そういうものが不愉快な方、
飛ばして収録後の木村くんだけ読みたい方はコチラへどうぞ。
30分後に撮影再開と言われ、本格的に観客も含めた休憩かと思いきや、全体的に横にスライドするように指示が出た。表彰台の撮影か? さまざまな憶測がエキストラの間で飛び交っている。私たちがいる場所と正反対の端っこには、ネットで知り合ったmさんの旦那さまが待っている。彼女は午後からの参加だったので随分と席が後半になってしまったらしい。mさんとの逢瀬(笑)は済ませていたけど、旦那さんにも一度ちゃんとお会いしてみたい、ということでそちらに行ってみることにした。整理番号の早い人が遅い人のところに行くわけだし。大丈夫でしょう(勝手に判断)。

で、スタート地点からまるきり反対側へ移動。次の収録場所と噂されている表彰台までの距離はだいぶある。今までものすごく間近で木村くんを見つめていられたわけだから。今度は別の方に堪能していただきましょう。…と思っていると?

なんと! たどり着いたところには風の丘ホームのキッズたち(子どもたちたち・笑)が! さきほどのピット前の収録では書き忘れたが、いい人な笑顔全開の大輔や、フェンスにしがみつく可愛い七恵などの姿はここに来る前にも見つけていた。でも今度はホントに眼下、目の前! 大輔と周平がじゃれている。モっちゃんのリュックにはしっかりとマヨネーズが入っていて嬉しくなった。美冴な樹里ちゃんは日傘をさしていた。その横からチョロチョロと顔が見える七恵!!! すげぇー! 可愛いー! 元兄ぃや朋美先生の姿は確認できなかった。裏手にヤニ補給に行ったとき、厳重警備の車が1台あって。朋美先生はその中にいらしたのかも。随分待たされたらしい(確か「予定では13:40より撮影となっていたシーン」と説明していたような気がする。この時点で既に15時過ぎ)

風の丘ホームの「キッズたち」に、スタッフから説明。「残念ながら予定が変わりまして、移動していただきます。もっとずーっと、ずーっと向こうのほうまで。移動してください。」私たちエキストラについてはそのまま放置。どうやら何が収録されてるのかさっぱり判らない時間になりそうだ…。

ところが! なんと木村くんがスタッフと一緒にマシンを押しながら左手(スタート地点の方向)ピットから登場。最初はお遊びな感じで一緒にマシンを押してるのかと思ったが、そういう感じではない。手伝ってるという感じでもない。マシンを私たち観客席から見て右手下、コースを半分外れて芝に乗り上げた状態でセット。コースを挟んだ反対側にはカメラ車。荷台にドデン座って幕に隠れてとモニターを覗くスタッフ(これはモニターだけでカメラではないのかもしれない、よく判らない)。前にもカメラが2台。車の屋根では音声さんがブームマイクをかざしている。

「コースアウトのシーンを撮影します。」

呆然とした。コースアウト? さっきのゴールは? ガッツポーズは? 「次郎の夢」「妄想」「脳内シュミレーションのワンシーン」…なの??? どうやら井上さんが用意したシナリオは単純なハッピーエンドじゃないみたいだ。入場前に収録していたというレースシーンというのは、次郎車がコースアウトしてしまうという危険なシーンだったんだな、だからエキストラは入れたくなかったんだ…。

いろいろと演技指導を受けたあと、まずはリハ。次郎さんな木村くんがマシンをゆっくりと押し始めた。思っていたよりもずっとずっと長い距離だ。どこまで押すんだろう? 止まった位置は表彰台の辺りだっただろうか。もう裸眼では木村くんの表情なんて全然見えないぐらいの距離がある。マシンをスタッフに任せて、木村くんが元の位置に戻るためにピット側へ歩き出した。あ、自転車だ! 由紀夫ちゃんな次郎さんだ!! 電動アシストつき自転車に乗った木村くんは、太ももをさすりながらゆっくりと最初の立ち位置まで戻ってきた。「じろーーー!!!」「たくやーーーー!」という声援を受けながら。私たちの前を通過する時に、どこからか野太い男性の声で「じろぉーーーぉ! コッチ向いてぇーーー!」と声援(?)が飛び、さすがの木村くんも苦笑い。こっちを向くことはしなかったけれど、迷惑そうな顔をしてるわけでもない。だけど、太ももの疲労はだいぶひどいみたいで、ずっとさすりつづけていた。

実際にメカニッククルーがマシンを押している姿を見ていた限りでは、前でひとりがステアリングを操作しながら、後ろからもう1〜2名が押すというのが基本らしい。最初に踏ん張ってある程度軽やかに小走りで押したほうがタイヤが楽に動いているように見えた。それをあえて演技としてゆっくりと歯を食いしばって押すことが要求されているわけだから、やっていることは殆ど筋トレに近い。でもまだこれはリハだという。あと何回? こうしてマシンを押すことになるのだろうか。

自転車を降りた後も、太ももをさすったり、しゃがんだり。顔の表情も渋い感じですぐれない。16:00ごろ、ついにマシンの横にゴロンと横になってしまった。スタンバイ時間が長いからせめて横になって待つことにしたのかと思ったら、近くにいたガタイのいい男の人が、木村くんの足をストレッチし始めた。マシンの向こう側に寝転がっているので、伸ばした片足しか見えない。赤いレーシングスーツの先の赤い靴。足首を直角にした状態で上から押したり、前に、左右に曲げて太もも伸ばしたり。良かった。足首のストレッチを堂々とやってるってことは、捻挫の再発じゃないみたいだ。

カメラなどもろもろの準備が整いつつあるようで、メイクさんが髪を直し始めた。最初は立ったまま、髪の毛に霧吹きしてもらっていたけど、ちょっと小柄なメイクさんのためにカクンと立て膝をした。「いいよーぉ。メイクなんて直さなくてもそのままでもキレイだよ♪」後ろから聞こえてきた他のグループのエキストラさんの声に、ホントだなーと思いながら見惚れた。目を閉じて、されるがままの木村くん。アゴを少し前に出して目をつぶっている、ただそれだけなのに。なんてこの人はキレイなんだろう。美しいんだろう。色っぽいんだろう…。霧吹きの次はムースをつけ、コームで頭のてっぺんから後ろ部分の髪に逆毛を立てる。木村くん、立てひざのまま、おとなしくずーっと目をつぶってる。できました、と声をかけられ立ち上がる。手鏡を見せられ、「どぉーも♪」という感じで首をかしげてお礼をする木村くんがまた可愛い! マシンに近づく木村くんにメイクさんが再度霧吹き。今度は顔周辺の汗らしい。でも風が強くて霧が流されてしまう。その霧散する風を、首を左右にひょこひょこ動かしてキャッチ。本当にこの人はいつだって自然。いつだって優しい。本番直前こんなときまでお茶目さんなんだ。仕上げにお約束の「口に霧吹き」までしていた。わざわざメイクさんを呼び止めて。(笑)

16:30いよいよマシンを押し続けるシーンの本番。

さっきまでメイクさんとジャレていた人とはまるで別人のよう。「レースに臨む男」、神崎次郎がそこにいた。コースアウトしたマシンからステアリングを外してよじり出る次郎。レーススタッフとやりとり(口論?)を交わし、ヘルメットとマスクをもどかしくもぎ取り、ステアリングをはめてゆっくりをマシンを押し始める。ゆっくり、ゆっくり。一歩、一歩。「観客のみなさんはですね、呆然とそんな次郎を見つめる!」というなんともファジーな演出指示に失笑も漏れたりしてたけど、そんな指示なんていらなかった。ただ呆然と見つめるしかない。黙々とマシンを押し続ける、次郎を。踏ん張るその「赤い」足は、ギリギリまでしならせた、矢を発する直前の弓を思い起こさせた。全体重をマシンにかけるその後姿は、前線に赴く戦士に見えた。でもこちらは手を揉み絞るしかない。声援も、拍手も、禁じられているから。風の丘ホームの子どもたちがいると思われる辺りを通過して、次郎はマシンを離れた。ちょうどマシンを止めた辺りはフェンスの影でここからはよく見えない。スタッフに制されたのだろうか。リハでも判らなかったが、やはり今度の本番でも判らない。次郎がピットへ入っていく…。カット! チェックがもどかしい…、あぁ良かった、オッケーだ…。観客からは大拍手。

次のシーンの撮影に行くのかと思いきや、カメラ車がこちらに戻る用意をしていた。車がバック走行で戻ってくる。観客席からは大声援。なんだ? カメラ車に目をやると、バックでツイーっと帰ってくる車の先端に、次郎の格好をした木村くんがちょこんと座っていた。かわいい〜〜〜! かっこい〜〜〜! それしか言葉が出ない。なんてボキャ貧なんだと言われても、それしか言いようがない。

聞けばまた同じシーンを撮るという。他のマシンに追い抜かれながらマシンを押し続ける次郎を撮影。「また押すの?!?!」 もう2度もじりじりとマシンを押していたのに…、足大丈夫だろうか? 今度はマッサージを受ける余裕もなく、比較的早めにスタンバイが終わり、17:00本番となった。他のマシンのドライバーには「先ほどと同じく100キロ走行で」との場内アナウンスPAによる指示。プライドのときは肉声やトラメガで喋るスタッフの声がわんわんと響いてしまってさっぱり判らなかったが。今回はスタッフの指示が(エキストラ向けでもキャスト・スタッフ向けでも)とてもよく聞こえて良い。

本番直前、カメラ車に安全面での注意が言い渡された。「コースを実際にマシンが走りますので。一度走り過ぎたマシンがピットインのためにもう一度コースを通ります。クルーのみなさんはくれぐれもコース内に出ないでください」すると「はぁ〜い♪」とスタッフが唱和した。どんだけ明るいんだ、アンタたちは。(^_^;) ガタイの大きい人から、男性から女性から、みんな。「我ら・陽気な荒くれ者」みたいな感じ? 手を挙げて返事してる人もいて。キビキビと明るく立ち働くスタッフの姿には、朝から感動しまくりだったけど、ここに来て更に感激した。木村くんは、本当に明るく楽しいステキな空間でモノづくりできてるんだなって、改めて嬉しくなった。

他のマシンがスタート。こちらでも演技が始まる。先ほどと同じく。マシンを降りて…メットとマスクを取って…。でもなかなか次郎が歩き出さない。他のマシンが続々と追い越していく。まだ歩き出さない…出せない? ステアリングがはまらないみたいだ。タイヤはコース外の方向を向いてしまったまま。次郎は前かがみでずっとステアリングをはめようとしている、でも焦りは見えない…。他のマシンがピットインし始めた。だけどやっぱり次郎車はそこにいるまま。え…? え…? NGなの? カットがかかり、チェックに入った。ステアリングがはまらないんだよねー、というようなやりとりを木村くんがスタッフとしている。スタッフがステアリングを手にしてマシンにはめてみようとしている。やりなおしなのかなぁ…。でも結局、結果はOKに。観客席からはまた拍手が沸いた。マシンを押すことができなくても、演技をし続けた木村くんの勝利だ! と思った。「オレ、NG出さない。ていうか、NGにしない」といういつだったかの言葉どおりに。

OKは出たが、木村くんがマシンに乗り込んだ。あれ? ヘルメットなしのままエンジンをかけている…。どうするんだろう…? と思った瞬間にマシンはもう動き出していた。ノーヘルのまま茶髪をなびかせて木村くんがゆく。この瞬間私の目は都合よくスローモーションになってくれたみたいだ。なびく茶髪と木村くんのステキな顔。目に焼きついた。心臓がバクバクした。観客席は当然拍手喝さい。悲鳴も漏れた。マシンを止め、エンジンを「ぶぉん〜〜っっ!」と吹かしてエンジンストップ。再度大歓声。この人は「華」だ。生まれついての「星」だ…。拍手と声援は、この人のためにある…。そういう「木村拓哉」を今この瞬間見つめられている状況に改めて幸せを感じるとともに、そう言っても誰もバカになんてしないであろう人たちと一緒にいられることも嬉しかった。

ここでは観客席メインの撮影もあった。スタート時の興奮の図。次郎のマシンが帰ってきたかな? コーナーを回った! 次郎だぁ〜! という興奮&拍手の図。そして、マシンを押す次郎を見つめる図…。これは何度かやり直しになった。演技指導(笑)としては、「レースに興奮! あれ? 1台だけコースアウトしている次郎のマシンに気づく! あれ? どうしたんだろう…。ざわつきはじめる! マシンを押し始めるのを呆然と見つめる!」など。それが「次第に高まる拍手で見つめる!」に変わったりして、結局何が採用されたのかははっきりしなかった。「呆然と見守るといいましたが、変更します」と言っていたから、拍手の方なのかも。今まで拍手しちゃいけなかったので。さっき心の中で送っていた拍手を、思い切り送った。みんなで。「立ちたい人は立ってください」と言われて、立って良かった♪ 立ってしまった人が多すぎて、「8月生まれの人は座ってください」って、9月生まれで良かった。(笑)

次こそは先ほど噂が出た表彰台のシーンなのか? と思ったら、また元の位置まで戻って欲しいという指示が。どうしよう。きくちゃんのところに戻ろうかな。mさんとmさんの旦那さんと一緒に。こういう行為はホントは迷惑なんだろうな…という自分の気持ちをゴメンナサイして抑えながら、観客席を駆け上がって一気に端から端までダッシュした。何番だっけ…、Lの9、そうだ、ハルの9…。元自分がいた場所は見つかったけれど、スタッフさんたちは「今度の収録は一番端まで映ります! 端まで移動してください!」を声を枯らしている。でもスタート位置3番、ピット37番〜38番辺りの人たちは動きたくない〜という顔をしている。そりゃそうだろう。そこにいれば次郎に間近で会えるわけだろうから。本来の自分の位置をさっきまで勝手に変えてしまっていて、結果的にまた木村くんの近くにいられることになってしまった私としては、ここでスタッフの指示に従うことでちょっとでも罪滅ぼしになるかも、って勝手に決めて。一番端まで移動した。きくちゃんたちは動くに動けないらしい。

コース上にマシンはない。どうやらピット内の撮影みたい。でも、観客の「演技」収録もパラで進行するという。またさっきみたいにエキストラらしいことができるぞって喜んでた人も多くて。確かに昨年のプライドに比べると指示されることや注意されることは格段に少ない。(正直「単なるピクニックか?」と思う瞬間は多かった) しかし…。私は見逃さなかった。昼前後に行なわれたレース収録中に、向かいの建物(ピット)の屋上からコチラを狙ってたカメラマンを…。そして、走行しているのが次郎さんな木村くんなんだと信じ込んでムチャクチャ盛り上がって応援してた時や、CCDカメラを搭載して走行する次郎さんな木村くんに大騒ぎしてた時に、嬉しそうな顔で観客席にカメラを据えてこちら側をずっと撮影し続けてるカメラマンを…。(映ってませんように!) もしも最終話でレースに嬉しそうな声援を送る観客の顔が映し出されたら、その笑顔はホンモノ。(笑) 多分、映った人のそれ以上はない笑顔。

コース内でのエキストラに参加していた人たちだろうか? ピット前では男の子の赤いバッグにサインする木村くんの姿などが見られた。そしてピット前で、リハ、そして本番。展開としてはマシンを押したあとの、続きの部分だ。「かなり長いシーンです」と説明があったが、次郎がピットの前をずーっと歩いていくシーン。ストーリー的にも、ここがラストになるのだろうか? 当然のことながら台詞は一切聞こえない。他チームのピット前…自分のピット前…メカニックとのやりとり…たまきとのやりとり…。

ピット前を歩くシーンは一発OK。たまきとのやりとりだけを別カットで撮影。私の位置からだとこのたまきとの会話のときに、ちょうど木村くんの顔がフェンスのポールに重なってしまって見えなくなった。リハでも、本番でも、寸分違わぬ位置でたまきと会話していた。要求されれば如何様にも演技を変え、キープすべきなら何度でも同じことが出来る。どんな顔でたまきと会話してるのか見たくて仕方がなかったのだけど、兼ねてより感服していた木村くんのそんな一面をナマで見られてなんだか嬉しかった。既にOAされてる「後ろ向きに戻ってきた次郎と、たまきが再び向き合う」というシーンを思い出したりもした。

今度はピット奥のほうで、車椅子の一之瀬監督との対話を収録。ゆっくりと沸き起こる拍手は、ピット内の収録も観客席も、何度もやりなおした。ここでも観客で立ちたい人は立ってくださいと言われたが、さっきよりも更に多すぎて、「2月、4月、6月、8月、10月…生まれの人は座ってください」と言っていた。「偶数月全部じゃ、結局半分じゃん」って後ろで笑ってる人がいた。確かに。(笑) 奇数月生まれであることを親に感謝しながら(大げさ)、心置きなく拍手を送った。このひとりひとりの拍手が、この作品のラストを飾ってくれるのかなと期待しながら。一之瀬監督とのやりとりがOKになると、心のこもらない感じでピットクルーの拍手に送られる比呂人の撮影。そこまででドラマ収録は終了となった。

拍手の収録では、ピット内からスタッフが台本を振りかざしているだけだった。西谷監督と思しきスタッフと助監だか平野監督だかの指示はわらってしまうぐらいにいーかげんで。(笑)
「最初はまばらな拍手が徐々に高まる〜!」
…徐々に、って…(笑)
「いー感じでーす♪」
…いいのか、そんなんで…(^_^;)
慣れてくるとすごく楽しくなった。監督からの曖昧な指示は、空想や妄想を膨らませる揮発材になったから。動かないマシンを手で押し続けた次郎、ピット前を歩く次郎、クルーの謝罪を受ける次郎、監督に頭を下げる次郎…。そのときの次郎の思いとか、どんな顔して歩いてるんだろうとか、風の丘ホームの子どもたちはどんな思いでこれを見てるんだろうとか…。すごくたくさんの思いや考えが、頭の中を駆け巡った。全部は判らないシーン内容。勝手にシーンを展開させて、勝手に感動した。感動したから、拍手した。これは演技じゃない。演技じゃない! そう思った。流れる曲はなんでしょうね…。サントラ#15「Love theme of “ENGINE”」から次郎のテーマ「Angel」でしょうか…? それとも#03「希望の灯り」から次郎のテーマ…? いずれにしてもロケ現場の私の頭の中では、最後に必ず「次郎のテーマ」が高まっていました。実際はどうなるのか。OAが本当に楽しみです。
ゴールシーン2








































このドラマの照明スタッフ「光影舎」さんのBLOGで、撮影風景が見られる。ちなみにここのBLOGではその他の貴重写真やコメントも多数楽しめる。モノづくりの匂いを深呼吸できてオススメ。同様に「YAMATO」さんのBLOGでも、撮影の模様が垣間見られる。光影舎さんのページはロケが中心だが、YAMATOさんのページではスタジオ収録の模様も。
















コースアウトしたマシンから降りて、駆け寄ってきたレーススタッフと口論する次郎。スタッフを振り切り、マシンを手で押し始める。呆然とする観客の前を横切り、風の丘ホームの子どもたちの前を横切り、ひたすらマシンをゆっくりと押し続ける。途中でマシンから離れてピット内へ。

























































マシンを押すシーンの本番1

































マシンを押すシーンの本番2



























































観客のリアクション、拍手収録。

















レース後のピット前撮影。
観客のリアクション、拍手収録。









































































他のチームに無言で見つめられながらピット前を歩く次郎。イチノセのピット前に着くと、メカニックが駆け寄ってきて全員頭を下げて「すみませんでした!」と声を合わせ、深く謝罪。短い会話を交わしたあと(?)、ピット内に入ろうとする次郎の前には赤いタオルを持って待つたまきが。たまき、タオルを次郎に渡してひとこと。次郎、言葉を返して、タオルは使わずたまきに返す。次郎はピットの奥へ。となりのチームでは、比呂人戻ってくる。しかしこちらは新チームのなおざりな拍手に送られ…、ピットの奥に消える比呂人。次郎が向かったピットの奥には、車椅子の一之瀬監督が待つ。監督にに90度以上の深い、そして長いお辞儀。レースを完走できなかった侘びかもしれないと一瞬思ったが、多分「ありがとうございました」なのだろう。それを見ていたピットクルーからは、他チームのクルーも含めてゆっくりと拍手が。観客からもまばらな拍手が上がり始め、次第に大きく、一部にスタンディングオベーション。
次郎はね、本当のレーサーなんだよ?
みんなのために、そして自分のために、
走ったんだよ?
額に汗してマシンを押した、次郎のウィニングラン…。
マシンのレースには負けたけど、次郎は勝った…。
次郎は勝った…。

おめでとう、レーサー・神崎次郎。

収録後、木村くんがジロ・キャップにスクーターでピットに再登場。ネットの間の隙間の壁にひょいと飛び乗ってマイクを手に、ようやく観客エキストラに「ご挨拶」を語ってくれた(言い回しはウロ覚え)。

みなさんの協力のおかげで、
2日間では無理な、
無理な内容も。
無事撮影することが出来ました。
ありがとうございました。
(深々と一礼。ピット側に降り立ってピットクルーに)
メカニック、 ドライバーのみなさん。
いろいろ無理難題を言われて、
頭に来たことでしょうが、
おかげでいいシーンが撮れました。
27日。(左のスタッフに)でしたっけ。
是非チェックしてみてください。

拍手! もう、涙が出そうだった。エンジン入れろだの切れだの。予定がコロコロ変わって。最後は帳尻をあわせて19時ごろ終わったにしても、予定がどんどん後のほうにズレ込んで。見せないようにしていたつもりでも、繊細な木村くんにはそういったレーススタッフの「本音」は見えてしまってたのかも。ドラマの撮影って、本当に待ち時間が長いし…。コンサートの最後に「バンドのメンバーにも拍手!」とかってやってるのが自然であるように。ここでの木村くんも本当に自然だった。その思いやりと心意気が本当に嬉しかった。

その後、スタッフを囲んでの記念撮影。どんな顔して写ってたんだろう。すくなくともお口をひんまげた「ヘン顔」ではなかったみたいだ。(笑) メットを脇に抱えて、ジロ・キャップかぶって。レーススタッフとの記念写真、ドラマスタッフとの記念写真を撮り終えると、個別に記念撮影しているスタッフやキャストもいた。木村くんが並んで(肩を組んで?)撮影していたのは、キャストさんではなくて、実際のTOYOTAのメカニックさんだったような気がするが…。日が長い時期とは言えもう19時。暗くなると一発で使い物にならなくなる双眼鏡では、相手が誰なのかはっきりしないままで終わった。ピットの撤収作業が着々と進む中、ピット内の次郎のマシンがライトアップされ、中に次郎が乗り込んだ。何かの取材らしい。「TV誌用じゃない?」という声も聞こえて来たが、去年のプライドのことを思い出して、ファンクラブ会報用かもしれないと思った。だったらいいな。

すぐそこにまだ木村くんがいるのに。帰らなきゃならないのはすごく切なかった。「ずっとそこに木村くんがいるのが当たり前」な空間というのは本当に怖い。というか、そう考えてしまう雰囲気が怖い。普段はマメップ・チリップでもいいから姿を拝みたいとか思ってるのに。こんな間近で木村くんを見つめられるなんて、普通はありえないことなのに。やっぱ番協ってステキだな〜…。
またね、木村くん。
今度はコンサートで会おうね、絶対だよ?

行きの倍以上時間がかかったのではと思うぐらい帰り道。思い出すのは木村くんの颯爽としたシルエットと、横顔だった。頭の中には何人もの次郎さんや木村くんがいて、持参したMDなんて聴く余裕はなかった。うたた寝したらその余韻が消えてしまいそうで怖かった。消えないで…、消えないで…。でも、ホントはそんなのウソなんだ。細かいところは忘れちゃったとしても、あのサーキット場で見た次郎さんな木村くんは、絶対忘れない。

本当に、ありがとう。





収録後の木村くん



ドラマ収録エキストラレポ (2005/06/21 フジスピードウェイ)


♪TK1113♪木村拓哉という名のココロの栄養
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